18歳を越えさえすれば、堂々と、際限無く、エロを見ることができると思っていた。
電車の中でパシッと新聞紙と開くのと同じくらい、それを見せつけるように、「私はエロを見ることが世間から許されている!!」と、エロ可能人類の称号が与えられるものだと思っていた。
18歳はエロ水戸黄門の印籠だと思っていたのだ。
私がSNSのプロフ欄に「18↑」と書き加える瞬間。その時おぼえた優越感は今でも覚えている。
どれほど待ち侘びたか18の誕生日、いちばん楽しみにしていた瞬間だった。(流石にそれは嘘。おいしいレストランのローストビーフが一番楽しみだった)
しかしまだケツの青い18歳ごときの優越感は呆気なく崩れ落ちた。
分かるか?
地球上の9割の激裏夢小説のキャプションには「18禁(高校生不可)」と書かれている。
悔しい。
読めない。
エロを摂取する上で「18↑」だけでは足りないらしい。「高卒済」の称号があって初めて輝くものだった。
咽び泣いた。プライベッターの「フォロワーのみ」表記が私をせせら笑っているようだった。私は5月生まれで、およそあと1年は生殺しとなる。いっそ3月生まれとかにされたほうがまだマシだった。
いや。ただ勘違いしないでほしいのは、別に法律で「18禁ものは高校生もNGやで」と決められているわけではない。我々18歳でドスケベな夢小説を読みたい高校生の存在は、法律では認可されている。地域ごとに条例とかはあるかもしれないけどね。
つまるところ「R18表記の作品はたとえ18歳でも高校生はNG」のルールは作家さん達が自主的に設けたルールだ。近年あまり見ないがこのルールを特に設けていない作家さんによる作品(私はこれを脱法夢小説と読んでいる)も全然ある。脱法ではなく。
だからまぁ、R18作品を見たことを公言している高校生自体は別に存在していいのだ。17歳以下だと明言してたり高校生NGの作品に群がっていたりする完全クロでも無い限りは、あまり早計に違法エロ摂取者だと決めつけないであげてほしい。
でも、なんでだろう。
「R18(高校生不可)」の文化が生まれた理由が純粋に気になるのだ。法律上セーフなら売り手が責められることはない。
推測するにまだ精神的に未熟なのでトラブルになる可能性が高く、何かあったとき自分ひとりで責任が取れないからだろうか。とんだ自虐だ。でも事実だ。
軽く調べてみたところ上記の理由のほか、「18歳以下の同級生に見せちゃうかもしれないから」「制服でイベント来られたりしたら紛らわしいから」などの理由が挙げられていたが、結局それらも個々の推測であり明確な理由は見つからなかった。
また「高校生がR18見るのは法律違反!」と言及しているツイートも多く見られた。おそらくこの界隈内ルールが広まっている故なのだろうが、やっぱり大きな誤解があるように思える。
まぁなんにせよ理由があって定着したルールなのだろう。今のところは爪を噛みつつ時の経過を楽しみに待つことしかできない。ギリギリ。ワクワク。